「今の仕事も野球選手もお客様の喜びが共通点」元横浜ベイスターズ・森大輔さん 独立リーグでの最後の望みと今の仕事への誇り
かつて横浜ベイスターズで投手としてプレーし、現在は医療機器メーカーの「白寿生科学研究所」に勤めている森大輔さん。
トライアウト受験後、一度野球から離れていたが、かつて輝いていた姿を取り戻すため、BCリーグへ自ら活躍の場を求めた。
第3回は独立リーグでの奮闘そして引退後の現職での活躍についてを特集する。
(取材 / 文:白石怜平)
「自分は野球がしたい」部長からかけられた言葉とは?
森さんは石川ミリオンスターズへの入団前、地元の企業に就職していた。知人から紹介を受け、海外からの輸入品を仕入れる会社に勤めていた。
この期間が、森さんをもう一度野球への情熱を駆り立てる期間になっていた。
「トライアウトが終わって”もう野球は無理だろう”と思い、地元の企業に就職しました。そこが海外からの輸入品を仕入れる会社で僕はコンテナへ下ろす作業などをしていました。
6月頃の暑い時期で汗だくになって作業していたのですが、休憩してる時に、『俺、このままでいいのかな』とふと思ったんです。今までは思い立った時はすぐに踏み込めなかったのですが、この時ばかりは違いましたね」
森さんは、汗で滴る体のまますぐ部長へと相談に行った。
「部長には『もう一回野球がしたいです。なので退職させてください』と言ったんですよ。そしたら部長が、『その言葉を待ってたよ』って言ってくれて。『こっちは送り出してあげるから自分の思ったようにやってきな』って言っていただいたんです」
在籍期間は約半年間だったが、会社の同僚はみんな快く送り出してくれた。森さんは部長さんら会社の温かさも背にして再びユニフォームに袖を通した。