吉見さんからも指導した礼儀の大切さ
次に投球練習へ。再び吉見さんからの解説が事前に行われ、意識してほしいポイントをアドバイス。ここでも野球の原点は欠かせない部分だった。
「まずキャッチボールでやったことを、ブルペンで投げていこう。コースは狙わずストライクゾーンに入れるイメージで。あと、野球はここ(ユニフォームのロゴ)を見せたら負け。最後は見せるけれども、我慢してなるべく見せないように。それで投げていきましょう」
プロで最多勝2回(09年・11年)、最優秀防御率1回(11年)に輝くなど中日黄金期をエースとして牽引した吉見さん。
なぜ、”ユニフォームのロゴを見せたら負け”なのかも子どもたちに分かるようなフレーズを選びながら丁寧に説明。努力と研究で未来を切り拓いてきたからこそ、発する言葉には説得力があった。
子どもたちも真剣に聞き入り、プルペンへと向かった。投手は40人が参加。ブルペンは3人が投げられるため、1人10球で回した。
入れ替わる際、吉見さんは「捕手に”お願いします”と”ありがとうございました”は必ず言うこと。野球よりも大事なことだからね」
と、その都度子どもたちに礼儀について伝えていた。野手では宮本さんが「ちゃんとお願いします!と言うように」と呼びかけていたが、投手では吉見さんがブルペンで一人その目を光らせた。
吉見さんは野球教室では礼儀を重んじることもしっかりと伝えている。侍ジャパンのU-12で投手コーチを昨年から務めており、代表選手にも教えていたという。礼儀についても終了後こう明かしてくれた。
「最後は人としてどうがあるかが大事ですよね。挨拶しない子だと思われるのも損をするだけですので、まずは礼儀礼節だと思います。野球の技術などはその後からついてくるので、人間性を高めてほしいと考えて伝えています。今は分からなくても将来気づくと思いますし、活きてきますから。若いうちに気づいたもの勝ちです」