【インタビュー】第2回 元近鉄バファローズ・平江厳さん③

最後の挑戦を後押ししてくれたボビー・バレンタイン監督

メッツのキャンプに参加した際、野球人における恩人がもう1人いた。それがボビー・バレンタイン監督。

メジャー挑戦にあたっては直筆の手紙を当時の本拠地であるシェイ・スタジアムへ送り、それを読んだスカウトが日本で入団テストを行ってくれた。

>メジャー挑戦のエピソードは第1回に

テストに合格すると、フロリダで再び競争が始まった。メッツで不合格となってしまい終わりかと思ったが、まだ続きが残されていた。

「バレンタイン監督が『他にチャンスがあるかもしれない。君の情報を他球団に伝えてあげるから、もし声がかかったらそこに行きなさい』と。そしたら次の日にマリナーズからオファーが来たんです。」

アメリカでも温かいエピソードがあった

マイナーの入団テストを受けに来た1人の日本人に、メジャーの監督が直々に声をかけてくれた。意気に感じた平江さんは、フロリダからマリナーズのキャンプ地であるアリゾナへ向かう準備をした。

そして、ここアメリカでも”サプライズ”が待っていた。

「ホテルをチェックアウトするときに、後ろからバレンタイン監督が来て自身のカードで支払ってくれたんですよ。もちろん、最初に僕が送った手紙には『費用は全部自分で出すのでチャンスをください』と書きましたし、そのつもりでいたんですが、監督が支払ってくれて。

当時は英語が話せなかったのでただただ”Thank You”しか言えなかったのですが、バレンタイン監督が握手しながら言ってくれた”Good Luck”という一言は今でも忘れません。」

マリナーズのキャンプでも入団は叶わず、ここで選手としての引退を決めた。清原さんにもあの紙に記された電話番号に連絡し、報告をした。

「お2人にはどこかで恩返ししたいって今でもずっと思っています。あの時のお気持ち・優しさはずっと忘れないです。」

1

2

3

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…
PAGE TOP