「このまま勝てないんじゃないかと思いました」川越英隆さん 期待に応えたルーキーイヤーから長いトンネルの脱出まで
オリックス・ロッテで13年間投手としてプレーし、現在は横浜市にある「tsuzuki BASE」でコーチをしている川越英隆さん。
99年に当時のオリックス・ブルーウェーブに入団し、ルーキーイヤーから11勝を挙げ活躍。その後ロッテで2年間プレーし、11年間コーチとしてユニフォームを着続けた。
今回は川越さんに特別インタビューを実施。プロ野球生活そして今年から始まった新たな活動についてなどを伺った。
(取材 / 文:白石怜平)
99年、開幕ローテ入りするも初勝利まで1ヶ月を要する
川越さんは98年ドラフト2位(逆指名)で日産自動車からオリックス・ブルーウェーブに入団した。
同年の都市対抗野球ではチームの優勝に貢献し、MVPにあたる橋戸賞を受賞。その実力を高く評価した球団から熱心な誘いを受け、ブルーウェーブを選んだ。
即戦力としての期待も高まっている中で臨んだ1年目。
「金属バットを相手にしていましたし、コントロールや駆け引きなど投球術も学ぶことができたので、ある程度の自信を持ってキャンプには入りました」
と語り、オープン戦でも着々と結果を残し開幕ローテーション入りした。ただ、シーズンに入るとプロとの違いを知ることになった。
「油断をしていたわけではもちろんないのですが、オープン戦とシーズンではギャップをすごく感じました。開幕したらバッターの集中力も全然違いました。今考えればオープン戦はあくまで仕上げる段階。自分は一年目というのもあり、そういった考えはなかったですしシーズン最初は勝てなかったですね」
プロ初勝利は4月30日の日本ハム(現:北海道日本ハム)戦。自身の言葉通り開幕から約1ヶ月、5試合目にしてようやく手にしたものだった。その間について感じていたことを語った。
「駆け引きの部分でも(オープン戦とは)違いましたし、スピードも体の仕上がり具合もやはり違ったところでした。甘いボールも打ち損じていたのが、開幕すればいいバッターになればなるほど一発で仕留められていましたから」