【インタビュー】第9回 元オリックス・川越英隆さん ③

「もっと伝える力を勉強したい」

昨年完全試合を達成するなど9勝を挙げ、今春のWBCでも先発陣の一角を担った佐々木投手もルーキーイヤーは実戦で1試合も投げず体づくりに専念した。ロッテでの育成方針について、明確なプランと意図があった。

「最初はしっかり体をつくってから投げさせていくという育成プランがありました。一番は、体ができてないうちに投げてしまうと怪我に繋がってします。なので、体をつくってゲームを投げさせながらレベルアップしていく方針がありました」

昨年まで11年もの間、コーチとしてユニフォームを着続けた。指導者生活で培った考えについて訊ねた。

「観察をすることは絶対です。あとは自分の考えを押し付けないことです。しっかり選手と会話をして、考えなどを理解すること。あとはこちらがやってほしいことは明確に『こういうことに繋がるからやってみよう』などと伝えて、本人に納得してもらうことを大事にしています」

“伝える力”は子どもたちを教えるにおいても重要と考える

今は、子どもたちを中心に教える立場。特に”伝える力”について課題感を持っているという。

「今は子どもたちを教えているので、”伝える”ってすごく難しいと改めて感じています。今はプロからその延長線上にいるので、伝える力をもっと勉強しなくちゃいけないなと思いますね」

昨年、青山学院大学の1年後輩である井口資仁監督の電撃退任に伴い、自らもユニフォームを脱いだ。そして次回はいよいよ最終回。現在の活動について話を伺った。

(つづく)

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