清原和博氏 講演会「野球から学んだ奉仕の心」最終回 前例のない手術との闘ったオリックス時代から今後の目標まで

現在は少年野球での指導も

講演会も終盤に差し掛かり、社会貢献活動についても話題が及んだ。引退後初めての活動としては病院への訪問だった。

07年に手術を受けた神戸大医学部附属病院の子どもセンターを訪れ、入院中の子どもたちと交流した。

11年に東日本大震災が発生した際には被災地へ吹き出しに。石巻から南三陸町へ車で向かう途中に、ある高校球児とのエピソードがあった。

「ユニフォームを着た高校球児が泥だらけになってスコップを持っている姿を見たので、車をUターンして戻ってその子たちのところへ行ったんです。

突然だったので驚いていましたが、『君たちがやっていることは、俺が甲子園でホームランを打つことよりも素晴らしいことだから、夢を捨てずに頑張ってください』と伝えました」

東日本大震災時には高校球児へ激励した

激励した球児の高校である石巻工高は翌年の選抜に出場した。それを知ったとき、清原氏は「野球の神様は本当にいるんだと思いましたね」と感慨深げに語った。

そして、最後は今後の目標について。まずは健康に気をつけながら生活をしたいとし、

「精神疾患を患っているので、そういう方たちに少しでも勇気を与えられる活動をしていきたいです。僕も頑張っている人たちと一緒に日々戦っていきたいです」と語る。

現在は野球教室で子どもたちの指導にも積極的に携わっており、野球が清原氏の活動の原動力となっている。

往年のスイングを取り戻す意欲を語った

「膝がよくないのもあり、イチロー君みたいに打って見せることはできないですが、子どもたちとの触れ合いを通じて、もっと野球が好きになってもらう。そう接していければと思ってます。

指導では、僕が考え続けてきた”センター返し”を意識して振ってもらうようにしています。そうすると良い打球が続けて飛ぶようになるんです。その姿を見て教えて良かったと感じます」

子どもたちに豪快なスイングを見せるため、トレーニングをまた始めたいと意欲を見せた清原氏。約1時間の短い間だったが、笑顔とたくさんのエピソードが詰まった講演会は大盛況で終了した。

(おわり)

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