年代が異なっても「突き詰めていくと一緒」
子どもから社会人まであらゆる年代を指導するにあたり、どんなやりがいを感じているか。まず、子どもたちの成長について語った。
「レッスンは順を追って回っていくのですが、1週回ると子どもたちって不思議なことに今までできなかったことが急にできるようになるんです。親御さん含めて一緒に喜べるんですよ。
試行錯誤して何か一つでも身に付いていくと、新しく入ってきた子がまた同じレッスンをゼロからやりますよね。その時に一緒にやっている姿を見ると、『すごく成長しているんだな』ってのが分かるのがまた嬉しいんですよね」
また、ここで一つ意外な発言があった。それは「広い年代を見ていますが、突き詰めていくとみんな一緒なのだと思いました」と話していた。その真相も訊いてみた。
「大学生で外野から返球するとカーブする選手がいたんです。本人も悩んでいたのですが、別の小学生のチームでコーチの方たちと『ボール握る時に親指ってどうやってつけている?』という話になって。そこを考えたことがなかったのですが、自分で握りを見せた後に『カーブする子は指の腹をつけているんだよね』という話が出たので、後日大学生の子に聞いたら案の定そうだったんです。
さらに細かく聞いたら、『握り方を教わったことがないんです』と。バットの振り方もなのですが、野球の中で当たり前過ぎちゃうことって意外と教わる機会がない。とても大事なところなのですが、結構ある事なんですよね。違う年代での話から気づかせてもらいました」
引退後に向けて必要なお金の使い方と人間形成
今副島さんは自身の経験を活かし、引退後のフィールドでも活躍を続けている。ただ、現役を退いた後の人生いわゆるセカンドキャリアについて考えることは避けては通れない。
副島さんが現役選手にアドバイスを送るとするならどんなことがあるか、ここで問いかけた。
「昔は何か引退後のことを考えてると『だから結果が出ない』って言われたし、自分もそう考えたこともありました。でも、それは並行してできるし、やればいいと思うんです。あとはお金の使い方を考えた方がいいです。
僕は自分で使えるお金の上限は決めていたので、それ以外のお金は別の口座いくようにしていました。なので急に困ることもなかった。
現役時に貯めておいて、例えば野球塾やるなら練習場を自分で持つことだってできるわけですから。今の時代は選択肢もたくさんありますから」
そして、もう一つ大切なことを語ってくれた。それは色紙に記した座右の銘につながるものだった。
「あとは人間形成だと思います。最終的にはどれだけ自分の周りに人がいるか。何か媚びを売るとかではなく、人として周りから認めてもらう自分であること。
いいときはたくさん人は来ると思うのですが、例えば仕事で失敗してしまった時などに、どれだけ自分の周りに残っているか。そういったことも考えてみてほしいと思います」
「生涯野球に関わっていきたい」今後の道
アマチュア時代から現在までを訊いたロングインタビューの最後、野球人として副島さんの今後の進むべき道を語っていだいた。
「生涯野球に関わっていきたいです。今も野球を仕事にしたいと思って幸せなことにそれができいます。これからも続けるために勉強し続けないといけないし移り変わりも速いので、知識も蓄えていきたいです。
指導者というのは自分が結果を出すものではなく、教えた相手に結果を残してもらう仕事です。そのために自分がやってきたことを関わる人たちに惜しみなく伝えて、結果を出してもらう。野球を通じての恩返しを今後もやっていきたいです」
現在TBS系で毎週日曜に放送されている「下剋上球児」。実は、こちらの監修は副島さんを中心にGXAスカイホークスで担当している。
ドラマとともに、副島さんの今後の活躍もぜひ見逃さずに注目していきたい。
(おわり)
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