黒羽根さんの野球人生における転機、そして今後の目標
黒羽根さんにとっての人生のターニングポイント、それが何かを訊ねた。そこで答えたのはまず「捕手をやり始めた」ことだった。
本格的に捕手を始めたのは中学2年生の時。当時は主に投手や内野を行っていたが、チームの正捕手が肩を故障してしまったことにより、監督が適任を探すべく一人一人起用していたという。
出番が黒羽根さんに回ると1試合で盗塁を3つ刺すなど活躍し、そこから捕手を務めることになった。
「そのまま投手をやっていたら、おそらくプロには入れていないと思うので、それが今に繋がっていると思います」
また、心構えの面においては今でも刻んでいる言葉とそれに関係する出来事があった。
「日大藤沢高校時代、山本(秀明:元中日の山本昌の弟)監督が『どんな状況でも絶対に諦めるな』と言ってくれたんです。監督は自分が諦めて終わってしまったと。そんな話も交えて言ってくれました」

黒羽根さんを始めナインがその言葉を受けたのは最後の夏の大会初戦前日。その言葉にひもづくシチュエーションは翌日に訪れた。
「5回裏2アウト満塁、僕らが守備だったのですが9点差で負けていたんです。1点入った即コールドで試合終了の場面だったんですが、味方の三塁手がグラブから半分ボールが出ている状態で捕ったんですよ。
ベンチでも『もしあれが抜けたらコールド負けだったよね?』と話したのですが、そこから9点差をひっくり返して勝ったんです」
20年近く前のシーンであるが、今でも鮮明に記憶に刻まれている。今でも思い出し、活かされている言葉でもある。
「みんなその”諦めないというのが”頭にあったんです。だからそれをそのまま体現できた。やはり何をするにしても諦めない。できないかもしれないけれども、やり続けることってすごく大事なんだなと今でも刻まれていますね」

1時間を超えるロングインタビューそして5回に亘るコラムの最後、黒羽根さん利規の今後の目標を伺った。
「今教えてる小学生・中学生の子たちが、高校や大学を卒業しても活躍しているところを見たいと思います。そのためにこれからも続けていきたいですね。
中期的な視点で言うと、今いろいろなことにチャレンジさせてもらっているので、40歳までのあと4年で仕事における基盤をつくりたいと思っています」
今は野球界そして自分の未来を創り上げている過程にある。数年と言わずとも、新たな基盤の上に立つ黒羽根さんはどんな姿になっているのか、まだまだ楽しみは消えない。
(おわり)
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