仁志敏久さんが「トクサンTV」に登場!少年時代のヒーローとの念願の初コラボはグラブ談義と名シーンの再現から

10月某日、大人気野球YouTubeチャンネル「トクサンTV」の収録が行われた。

この日、トクサンにとって念願・悲願が叶った。小学生時代から大ファンでトクサンTV内でも公言してきた、仁志敏久さんとのコラボが実現したのだ。

今回、ゴールデングラブ賞4回の守備と”史上最強打線”のリードオフマンを担った打撃それぞれの技術に迫った。本編ではそれぞれの一部をご紹介する。

(文:白石怜平)

仁志さんのグラブに内蔵された”NPB初”の構造とは

仁志さんは96年に巨人入団後、主に1番・二塁として重量打線の核弾頭を担った。07年に横浜(現:DeNA)へ移籍し、10年に米独立リーグに挑戦し同年限りで引退。今年まで2年間、DeNAの二軍監督を務めていた。

プロ通算1587試合に出場し、1591安打・154本塁打をマーク。守備でも4年連続ゴールデングラブ賞を受賞(99年~02年)し、華麗かつ堅実な守備は多くの野球少年の憧れの的になった。

冒頭の通り、トクサンもその一人。感激の面持ちを見せながら、当時大学3年だった05年にオーダーしてつくったという”仁志モデル”のグラブを本人に見せた。憧れの名手に実際にはめてもらい、グラブ談義から始まった。

「最初は(当時巨人コーチでV9時代の名二塁手だった)土井正三さんと同じものを使っていたんですよ。守れるようになってスタイルが変わって、指の使い方が変わってきたので、指股を下げたりいろいろしたんですけれどもね」

仁志さんのグラブには、NPBで始めて採用したと言われているグラブ構造がある。それは薬指の部分にあるリング。中で手が遊ばないように止めるとともに、指を動かすとグラブも同じ動きをする役割を担ってくれている。

薬指のリングが大きな役割を果たしている(トクサンTV内にて)

「市販のグラブにはなかったのですが、社会人時代に日本生命でも監督をされた十河章浩(とおごう)さんが、付けていて『これいいよ』って教えてくれてプロに入ったときに付けたんです。これがあるのとないのとでは全然違いましたね」

”代名詞”のポジショニングに秘められた意識

キャッチボールで体を温め次はノックに。その前に守備について意外な話を明かしてくれた。

仁志さんの守備と言えば、的確なポジショニング。誰もが抜けたと思う打球の前に既に構えており、幾多の窮地を救ってきた。

”ここに仁志がいる!”などと多くのファンが驚き、羨望のまなざしを送ってきた。

極端に言うと、時には二塁ベースの真後ろにいるようなポジショニングを取ったりすることもあった仁志さん。ここで「トーナメント形式の時はやるもんじゃないと思うんです」と語る。

「プロ野球で7割~8割来る可能性があったら、そこにいる理由があるのですが、トーナメントで残りの3割、2割が大事な時に来てしまったら通用しない。他の選手からしたら”それでもお前抜かれてるだろ”となってしまう。プロ野球で毎日試合あるからこそできることなんです」

当時ポジショニングで考えていたことについて明かした(トクサンTV内にて)

そこでトクサンは02年日本シリーズのシーンを挙げて深堀した。第1戦の1回表、初回2死1・2塁で和田一浩選手のセンター前に抜けるような打球を二塁ベース寄りに守っていた仁志さんが捌き、ピンチを救ったシーン。

日本シリーズは1プレーが流れを左右するいわばトーナメントのようなシチュエーションであることを踏まえ、なぜあのプレーが生まれたのかを直接訊いた。

「あの時は、いるところは最初からそこではないんですよ。自分が想定していた打球の『やっぱりな』というスタートの速さがある。スタートっていうのは(バットに)当たっていかに速く出るかじゃないんです。当たる前にどっちに飛ぶか確率よく予測できる方がいいですから」

プロ入り後から、打撃練習の時にバットに当たる前にスタートを切る訓練を重ねていたという。それを徐々に実戦で試していった。

「打球が分かりやすい選手からやってみようということで、最初にやったのが当時中日にいたゴメス選手。彼はド引っ張りのバッターなので、本当に二塁ベースの真後ろくらいに守ってやってみたんです。そのうち特徴が薄い人に向けて見つけるポイントを探していった形です」

グラウンドで当時のポジショニングを解説した(トクサンTV内にて)

その後、実際にグラウンドで当時のプレーを再現。トクサンも「これだけ(の距離を)動いているんですね」と驚きの様子を見せた。

そして、ここからは仁志さんの守備講座が開講。思わず”なるほど”と何度も出てしまう、名手の奥義が披露される。詳細はトクサンTV本編にて公開中。

(つづく)

▼仁志さんとのグラブ談義や守備講座はこちらから▼

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…
PAGE TOP