「4年間の経験は宝です」元巨人・谷内田敦士さん 現役生活で輝いた魅力と先輩方との出会い

尊敬できるコーチとの出会い

一軍の先輩投手から学んだ他、首脳陣から学んだことも多くあった。そのうちの1人として、最も尊敬すると語るコーチの教えを紹介してくれた。

「(野村)克則さんですね。例えば、スライダーのサインを出して、甘く入って打たれてしまった時がありました。内心”甘く入ったからだよ”って少し思ったんですが、おそらく察したんでしょうね。

『あの場面はもしストレートだったら抜けてないかもしれないし、フォークだったらワンバンで空振り取れたかも知れない。気持ちはわかるけれども、次はこうしたらいいんじゃないか』などと、プラスになる思考法を教えてくれたんです」

野村コーチのような人になりたいと語る

現在阪神の二軍バッテリーコーチを務める野村さんは、谷内田さんが3年目の10年から4年間、巨人でコーチを担当していた。

選手と真摯に向き合う人柄に谷内田さんはどんどん惹かれていった。

「常にいいところを探してくれましたし、親身になって教えていただきました。僕も克則さんのような人間になることを目指していますし、息子の名前にも『克』の字を入れさせてもらいました」

「君には武器があるんだよ」谷内田さんの輝く魅力

谷内田さんがいた当時の巨人の捕手陣は、キャプテンを務めていた絶対的な正捕手・阿部慎之助(現:巨人監督)選手を筆頭に、鶴岡一成選手・實松一成選手・加藤健選手など2番手以降も充実したメンバーだった。

若さがあると言えども、その厚い壁に阻まれ支配下登録を掴めずにいた。そして10年、育成選手の保有期間である3年を終えた。

「3年目のときに捕手が3人(市川友也・鬼屋敷正人・河野元貴)が入ってきたので、正直厳しいかなと思ったんです」

シーズンオフ、球団は谷内田さんと再び契約を結んだ。そこでフロントに言われたことが意気に感じることができた。

「その時言われたのは、『今は確かに野球ではまだまだ力が足りない。でも君には武器があるんだよ。それは元気と声だよ』と。チームにいい影響を与えてくれたということで、しかも査定を少しアップしてもらったんです。なので、自分をちゃんと見てくれているんだと思いました」

元気と活気も球団に評価してもらった点だった

谷内田さんの元気と声はチームに活気を与えていた。球団はその姿勢を評価し、チームの戦力として見ていた。それは今の職場においても活かされていることだった。

「弊社では挨拶運動というのをやっていまして、挨拶って誰でもできることですよね。(運動を)普及させるにあたっても、巨人時代の経験で『自分はこれで評価を上げてもらったんだよ』と伝えています。社外の方からも『御社のみなさんはいつもいい返事・挨拶をしてくれますよね』と言っていただいています」

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