04年球界再編問題の渦中、選手会副会長としても奔走
風向きが変わったのが04年。4月にローテーション入りすると3試合目の登板となる24日のロッテ戦で720日の勝利を挙げ、ついに連敗をストップした。
その後も勝ち星を重ね、9敗で負け越すものの7勝を挙げ、新人以来の規定投球回数を達成した。
ただ、この年は本来の野球に専念できる1年ではなかった。日本中を揺るがせた球界再編問題。大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併、東北楽天ゴールデンイーグルスの誕生という激動の年だった。
川越さんは当該球団かつチームの選手会副会長として三輪隆選手会長をサポートし、自らも奔走する日々でもあった。
「（プロ野球）選手会の会合にも出ていましたが、主に三輪さんを中心にやっていましたので、僕はチーム側の取りまとめを任せてもらっていました」
グラウンドの外では署名活動を行い、当時プロ野球選手会会長を務めていた古田敦也さんを中心に経営者側との交渉を幾度となく重ねた。
そして9月にはストライキを決行するなど、野球どころではなかったことは想像に難くなかった。川越さんも渦中の真っ只中にいながらも、近鉄の選手たちを慮った。
「オリックスももちろんどうなるのだろうという不安の中ではあったのですが、近鉄は球団が消滅するというのがあったので、近鉄の選手たちの方がおそらく野球どころではなかったと思います」
そんな中でも試合はやってくる。日々大勢のマスコミが球場へ押し寄せ、報道が過熱する中でも、いざ始まればひたすら腕を振るのみだった。
「グラウンドに入れば、自分の任された試合を投げるだけだったのでそこは集中していました」
そして05年は「オリックス・バファローズ」の一員となり、プロ入り時の監督だった名将・仰木彬監督が復帰。そして新球団の初代選手会長として新たなシーズンを迎えることになった。
（つづく）
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