【インタビュー】第3回 元横浜ベイスターズ・内藤雄太さん③

選手の安全が会社のためにもなる

16年1月からカシマヤ製作所へ正式に入社し、新天地での勤務をスタートさせた。野球関連に加え、新たに取り組み始めたことがあった。それが同社の主力事業であるおもちゃの販売に向けた営業である。

関西・東海地区などの小売店を回り、ウォーターガンやなわとび、ミニグラブやミニボールなどを提案している。これまで野球用具を扱ってきているだけに、おもちゃの営業は「知らないことが多いのでなかなか難しいですね」と語る。

営業での苦労も語った。

カシマヤ製作所では、Franklinのバッティンググローブの他に上述のボンズ選手が使用していたメイプルバット「SAM BAT(サムバット)」、MLBでも多くの選手が使用しており、日本ハムの新庄監督が着用していることで話題になった「100%(ワンハンドレッド)」などを扱っており、内藤さんは球場へ足を運び現役選手への提案を行っている。

扱う製品の中には、投手の頭を守るSSTヘッドガードも扱っている。田中将大投手(楽天)がヤンキース時代に帽子の中に装着して使用していたヘッドガードだ。

また、ヘルメットに装着するフェイスガード「C-FLAP」もある。現状では規定によりプロ野球選手しか使用できなくなってしまったが、19年からはNPBで普及した影響からアマチュアへと広がっていった。

この流れをつくったのは、NPBで真っ先に導入に向けて動いたカシマヤ製作所の功績である。

このように内藤さんは自社の売上に必ずしも繋がらなくても、選手の安全について真剣に向き合っている。ヘルメットについても同様だという。

「ヘルメットの審査基準って実は小学生からプロ野球まで同じで、実は球速が108km/h なんです。それだけの耐久性しかない中で、今は160km/hを投げる投手がたくさんいますよね。

なので、弊社では海外メーカーさんのヘルメットは頭を守るという事でいい物ではないか?と発信していました。約165km/hに近い速度で耐久性の検査をしているとお聞きしたからです」

これは選手にも説明し、安全性を発信し続けている。選手がより安全にプレーできることが会社にとってベストな考えなのである。

「筒香にも、『ゴウ、アメリカの選手がかぶっているヘルメットをかぶらないと頭守れないよ』と言いました。弊社が扱うメーカーではないのですが、会社としては『これで正しいよね』という話になりました。

日本人選手の危機管理能力も上がってきていますが、我々の発信を機にさらに向上していっていただけたら思っています」

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