「この投手がローテーションに定着できなければ自分の責任」前ロッテ投手コーチ・川越英隆さん 11年間磨き続けた多くの若き才能
昨シーズンまでロッテのコーチを務め、現在は神奈川県横浜市にある「tsuzuki BASE」でコーチをしている川越英隆さん。
11年間プレーしたオリックスを退団し、入団テストを経てロッテに入団した。本編では現役生活最後の2年を過ごし、コーチとしても昨年まで在籍した計13年間を伺った。
(取材 / 文:白石怜平)
10年、ロッテでは”史上最大の下剋上”を経験
新天地となるロッテへの入団。09年の秋季キャンプでテストを受け合格した。川越さんにとってこの移籍は大きなチャンスだった。
「オリックスで投げている時も、ロッテのイメージは応援に一体感と迫力があるのでいいなと思っていました。あと実は、マリンに相性が良くて球場が好きだったんです」
ZOZOマリンスタジアムの特徴の一つが、海沿いにあることから吹きつける強い風。この風が川越さんにとってもアドバンテージになった。
「変化球の曲がりも鋭くなりますし、それがホームになるということでもう少し長くプレーできるのではと感じていました」
このシーズン、川越さんは15試合に登板。チームは3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜き、さらには日本シリーズもセ・リーグの覇者中日を4勝2敗1分で破り、”史上最大の下剋上”を成し遂げた。
「3位でしたけれども、日本一を経験することができた。僕自身は成績は良くなかったですがメンバーにも入れましたし、野球人生の中でも日本シリーズで勝つ経験ができたのは大きな思い出になりました」