本田圭佑氏が語るAI時代に大切なこと 12歳以下4v4大会を開催

サッカー元日本代表、本田圭佑氏が考案した12歳以下の4人制サッカー大会「TOYOTA Presents, 4v4 ASIAN CUP 2024-25」が8月10日、東京・大田区総合体育館で行われ、タイ代表「LUCKY BOYS」が初代王者に輝いた。

優勝したタイ代表「LUCKY BOYS」

アジア各国で好成績を収めた10チームが集まり、本田氏の挨拶で大会の幕を開けた。

「この大会の経験と、今感じている気持ちを忘れないでほしい。勝てば喜び、負ければ悔しさがあるだろうが、それもすべて大切な財産になる。後悔のないよう、持てる力をすべてフィールドに出し切ってほしい。そして、アジア初のチャンピオンを目指してほしい」

予選はメインアリーナ、サブアリーナの2会場に分かれて展開され、各国の言語による熱い声援があちこちから飛び交い、会場は大きな盛り上がりを見せた。

4v4は「子どもが考え、実行する」を主眼に掲げており、コーチや監督はベンチに入れない。選手交代やタイムアウトも、選手たちが考え、相談して決めていく。また、20秒以内にシュートまで持ち込むルールで、試合時間は10分間の一本勝負とあり、早い展開のスリリングなサッカーが繰り広げられた。

決勝が終わった後は、本田氏をはじめ内田篤人氏、柿谷曜一朗氏、松井大輔氏と、世界を舞台に活躍したレジェンドプレイヤーが集結し、大会に出場した選手たちと対戦した。

レジェンドたちと記念写真

クロージングセッションで、本田圭佑氏は熱い思いを語った。

「4v4は、色んな思いを込めて作った子どものサッカー大会です。1試合10分という短い時間で、練習してきたことをすべてピッチに出さなければなりません。最大の特徴はコーチがベンチにいないこと。子どもたちが自分たちで作戦を考え、友達と意見を出し合い、勝利を目指します。今の時代、大人がいない環境で本気で勝負する場は減ってきています。だからこそ、この環境で成長してほしい。

これからAI化が進んでいきますが、コミュニケーション能力、諦めない気持ち、そして非認知能力を身につけてほしい。4v4はサッカーと違って3点差からの逆転勝利もあり得ます。最後まで勝ちにこだわる姿勢を育てたいと思っています。

今回、初めて10カ国で開催できましたが、これで終わりではありません。20、50、100カ国と増やし、最終的にはワールドカップ参加国並みに拡大したい。将来、この大会出身の子どもたちが世界で活躍し、皆さんを喜ばせる日が来たら、4v4を立ち上げた甲斐があります。それだけでなく、素晴らしい人材を社会に送り出していきたい。

大会3年目となり、観客の皆さんも4v4の楽しみ方を理解して、大きな声援を送ってくれています。今年の試合では、小学生のうちから各国代表と戦える貴重な経験を多くの子どもたちが得ました。スペシャルマッチでも、結果に関わらず名プレーが数多く生まれ、成長を感じられました。

日本の選手はきれいな試合運びを好む傾向がありますが、他のアジア諸国では勝ちにこだわる姿勢が目立ちます。各国の盛り上がりが結果にもつながっており、日本も負けずに頑張ってほしいです。最後にいつも4v4を応援し、サポートしてくださっている皆様に感謝申し上げます」

選手たちにメダルを贈る本田氏

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 今年の夏はどこへも出かけなかった。32年間勤めた新聞社を辞め、大学教員とスポーツライターに転じた。…
  2. イップスの話を続けよう。アメリカでもイップスは話題になっており、例えば2020年にコロラド…
  3. 野球殿堂博物館は9月13日(土)から、今年に結成100周年を迎えた東京六大学野球連盟との共催で、特…

ピックアップ記事

  1. 今年の夏はどこへも出かけなかった。32年間勤めた新聞社を辞め、大学教員とスポーツライターに転じた。…
  2. イップスの話を続けよう。アメリカでもイップスは話題になっており、例えば2020年にコロラド…
  3. 野球殿堂博物館は9月13日(土)から、今年に結成100周年を迎えた東京六大学野球連盟との共催で、特…
PAGE TOP