【インタビュー】第4回 元ヤクルトスワローズ・宇佐美康広さん①

6年目で一軍に初昇格、初安打もマーク

プロ6年目を迎えた99年、ついに一軍昇格を果たす。指揮を執っていたのはファームでもがく姿を間近で見ていた若松さんだった。内野手に故障者が出たことからチャンスが巡ってきた。

初出場は横浜スタジアムでの横浜(現:DeNA)戦、昇格翌日に出番が来た。終盤で代打として送られ、ついに一軍の舞台に立った。相手は当時の主力だった斎藤隆(現:DeNA一軍投手コーチ)投手。打席に立った時のことは今でもはっきりと覚えている。

「斎藤さんが先発でずっと投げていて終盤で僕が出たのですが、初球は絶対振ろうと思って。そしたら三塁側にフラフラっと上がってファールフライかと思ったのですが、スタンドに入ってくれて。粘ったのですが、変化球を引っ掛けて投ゴロでした。

あの時はちょっとうるっときましたよ。やっとここに立てたんだと。緊張もしましたが、スタンドの声は全く聞こえていない。目の前のピッチャーしか見えていなかったので、集中できていましたね」

一軍に上がった時は感極まったという

その後も一軍に帯同し、試合前の練習や試合展開を見ながら準備するなどベンチでもアピールを続け、再びチャンスが巡ってきた。広島市民球場での広島戦、ここでも終盤の代打だった。澤崎俊和投手から左前打を放ち、プロ初安打をマークした。

そして6月12日に8番・二塁で初スタメンに抜擢された。しかし、ここでまた衝撃を受けることになる。

「終盤に出た時と序盤での投手の球質が全く違いました。スタメンで出るも3三振で交代。それ以降はなかなかチャンスを掴めなかったです」

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