「最終戦のスタメンに自分の名前が」翌年が最後のシーズンに
99年は一軍デビューを果たし15試合に出場。これを弾みに翌年さらなる飛躍を目指した。ファームで開幕を迎えたが、異変を感じていた。
「ファームでも開幕戦に毎年出場させてもらっていたのですが、この年はなかった。若手をどんどん使うようになっていったので”これはまずいな”と。終盤の代打でなんとか出られる状況でした」
宇佐美さんの出場機会は訪れず、”これはもしや”と戦力外が頭をよぎり始めていた。そしてシーズン最終戦、その不安が的中する出来事があった。
「ファームの最終戦で、スタメンに名前があったら今年で終わりだなと思って球場に行ったらスタメンが1番・宇佐美って書いてあった。これはそうだなと。戦力外になったら野球を辞めるつもりでいたので、自分の引退試合だと思って臨みましたね」
オフに入り戦力外通告を受け、ヤクルトを退団。ここで現役生活に別れを告げた。7年間のプロ野球選手生活をこう振り返った。
「二軍ではレギュラーを獲れて(98年の)ファーム日本一も経験できた。6年かけてやっと一軍に上がれた。そこで結果を出して一軍でもやっていける手ごたえを掴めれば別の考えもあったと思いますが、レベルの違いを痛感したと言いますか、”これは厳しいかもしれないな”と正直思っていました。
ただ、自分なりには北海道の最北端から出てきた身で、プロ野球も生で見たのは入団してからだった。キャッチャーから内野へコンバートして、一軍でヒット2本しか打ってないけれども、よくここまでやったなと思います。全然悔いは無かったですし、自分のやる事はやったと思えました」
ユニフォームを脱いだ宇佐美さんはこれから新たな挑戦をしていく。
(つづく)
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