【インタビュー】第4回 元ヤクルトスワローズ・宇佐美康広さん②

「もう一度野球で勝負したい」もうひとつのきっかけ

野球の神様が宇佐美さんを再び導くかのように、もうひとつ大きなきっかけがあった。それが当時所属していた会社が社会貢献活動として始めた「絆甲子園」。

絆甲子園は、被災地である東北のリトルシニア(中学生の硬式野球チーム)の選手たちに、野球を通じて多くの仲間がいることを知ってもらうために行われたイベント。

東北・関東エリアを対象に10チーム以上総勢約800人規模の選手が一堂に集まり、毎年8月の第一土曜・日曜に開催。東日本大震災のあった2011年に第一回が行われた。

ゲストには工藤公康さんや現役時代に二遊間を組んだこともある宮本慎也さんなど、球史に残るOBが復興そして野球の発展のために尽力した。

宇佐美さんは絆甲子園のプロジェクトリーダーを任命され、自らの人脈やプロ野球選手としての経験などを惜しみなく注いだ。

ここでも、自身が感じたことがあった。

「なおさら、自分にしかできないことってあるんだなと。それが野球なんだと思いました。野球を通じた活動で感動を与えたりするのは、自分にしかできない仕事なのではないかと思えたんです。

その頃からおもむろに”もう一回野球で勝負できないかな”という気持ちが徐々に湧いてきました」

不動産での営業で勤めながら、少年野球の監督そして絆甲子園の運営を行い、仕事と野球を両立する中である出来事が大きな転機となった。

つづく

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