【インタビュー】第6回 元広島東洋カープ・今井啓介さん①

4年目、待望の一軍昇格・初勝利を手に

08年はファームで先発ローテーションに定着し、いよいよ本格的に実戦で投げ始めた。地道にアピールを重ねると09年の7月18日、4年目にして待ちに待った一軍のマウンドに立った。初めて昇格した時の心境を振り返った。

「ずっと置いて行かれている感じがしました。僕の1歳下のマエケン(前田健太:現ツインズ)や同級生の齊藤悠葵は先に一軍に上がっていたのでなんとか早く追いつかないとと思っていました。

当時は大竹(寛:現巨人巡回投手兼トレーニングコーチ補佐)さんとか若い投手が多かったので、そこに追いつきたい一心でどうにか上がれましたね」

8月1日にはマツダスタジアムでの横浜(現:DeNA)戦でプロ初先発し5回2失点の好投を見せると、初登板からちょうど2ヶ月後の9月18日にはついにプロ初勝利を手にした。

「ようやくスタートラインに立てたという安堵感でした。経験しないと分からない舞台を経験できたので、まさにこれからだと感じていました」

焦りなどもありながらも一軍に上がり、スタート地点に立った

12年終盤の手応えから13年、チームのAクラス入りに貢献

その後10年、11年とともに11試合登板と重ねると、12年には終盤に先発ローテーションに定着。9月1日の阪神戦ではプロ初完投・初完封勝利を挙げるなど、9月だけで3勝をマーク(24試合登板)し、翌年へ弾みをつけた。

「コントロール、スピードともにプロ野球生活の中で一番いいと感じた年でした。自分の思い通りに投げれられる感覚もあって、どんどん行けるという

手応えを掴んだような時期でしたね」

そして13年、今井さんはさらに登板数を増やす。キャンプで足を故障し出遅れたものの、4月29日の阪神戦では8回2死から登板し、ピンチの芽を積むと次の回に勝ち越しシーズン初登板・初勝利を挙げた。

この年は33試合に登板し、2勝2敗で防御率は3.23の活躍。チームは当時16年ぶりのAクラスで球団初のクライマックスシリーズへの進出を果たし、今井さんも貢献した。

「16年ぶりにAクラス入りした時には自分がその輪にいたので、それは良かったと思います。ただ、立場的には重要なポジションだと思っていなかったので嬉しい反面、まだこのままではいけないと感じていました」

この12年から13年にかけての飛躍には、ある先輩からの発破があった。

つづく

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