【インタビュー】第5回 元横浜ベイスターズ・森大輔さん①

後に悩まされ続ける”イップス”

森さんが社会人最後の1年で起きたこと。これは俗に言われる”イップス”に罹ったことだった。

イップスとは、スポーツの動作に支障をきたしてしまい、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害と定義されている。特に野球においてはポジション問わず主に投球動作の際に挙げられる。

森さんの場合は、365球投げてフォームが変わったことや公式戦での登板回避を申し出た際のやりとりといった様々な要因から心理的な影響を受けたことで発症した。

イップス発症後は「自分との戦い」だった

イップスになり、マウンド上でどんな心理的変化が表れたのか。高校時代の時と比較して解説してくれた。

「投手は通常、打者と対戦しますよね。僕はイップスになる前は特に強打者が来たらワクワクしていたんです。『絶対三振を奪おう』と思って投げていたのに、イップスを発症してからは打者と対戦する以前に自分と戦ってるんですよ。このメンタルの違いが大きいです。

考え方が完全に変わってしまって、要するに自分に対する不安ですよね。『ストライクが入らなかったらどうしよう』『当ててしまったらどうしよう』などと全く野球にならないんです。その不安が強いままプロに入っていたわけですよ」

すでに「心が折れた状態だった」という森さん。周囲をプロで見返そうという気持ちの余裕もなかった。そしてその不安はプロに入ってからも戦うことになっていった。

つづく

関連記事
【インタビュー】第4回 元ヤクルトスワローズ・宇佐美康広さん①

【インタビュー】第3回 元横浜ベイスターズ・内藤雄太さん①

【インタビュー】第2回 元近鉄バファローズ・平江厳さん

1 2 3

4

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 近鉄などで活躍し、豪快なフルスイングでプロ通算404もの本塁打を放った中村紀洋さん。9月下…
  2. 9月下旬、都内で中村紀洋さんのトークショーが開催された。近鉄”いてまえ打線”の4番を務め、…
  3. 現在台湾の社会人野球チーム「覇龍隊」でコーチを務めている金丸将也さん。昨年は地元宮崎の独立リーグ球…
PAGE TOP