【インタビュー】第6回 元広島東洋カープ・今井啓介さん②

「迷いながらずっと過ごしていました」

13年に自己最多の登板数となり、翌年は一軍で更なる飛躍をするべく臨んだ。しかし、このシーズンからイップスとは違う異変を感じ始めていた。

「掴んだはずの投球フォームが分からなくなってしまったんです。体も変わってきて、年齢も上がってきていますし、あとその頃から肩・肘・膝と痛み出てきてしまいました」

故障の箇所が増えることでさらに投球フォームが変わり、掴んだものが離れていってしまった。成績が下降線をたどり、「どうすればいいのかを考えながらずっと過ごしていました」と語るほどまで悩むようになった。

14年、15年は2年とも11登板に終わり、一軍と二軍を行き来する生活が続いた。

そして2016年、チームは25年ぶりのリーグ優勝を果たし歓喜に沸いた中、今井さんは一軍で1試合も投げることができなかった。その悔しい思いは想像に難くなかった。

「正直言うと一軍の試合は見れなかったですし、僕も二軍では全然投げられていなかったんです。なのでこの年で終わると思っていました」

14年以降は苦悩との闘いでもあった

13年のキャンプで膝を痛め、14年以降は肩や肘にも故障を抱え選手生命に影響を与えてしまった。このことについて、現在治療の道に進んだからこそ気づいたことがあったという。

「心が乱れると痛みって出てくるのではないかと思うんです。もちろんそれだけが原因ではないですが、不安が痛みを増幅させることってあるので僕も当時それに陥ってたのかなと。今になって思いますけど、当時は不安しかなかったですから」

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